目に視えない私と目が見えない彼
上映が11時開始だったので、お昼の時間は当に過ぎていた。お腹を空かせた二人と何処でご飯を食べようかと彷徨っていた。

「何処で食べるかな、未蘭は何が好きなの?」

「……えっと、シュークリームとチーズケーキかな」

「デザートじゃん、デートで行くならどこで食べたい?…まあ今日はこぶつきだけどな」

私の意見を言っていいのかな。少し迷いながらもゆっくりと口を開いた。

「……ここ!ここがいいです。ファミレスなんですけど」

「いいじゃん。ここにしようぜ。な、杏子」

私が立ち止まった場所はファミレスの前だった。店舗は違うけど、このファミレスはお母さんとお父さんとよくきたお店で懐かしかったんだ。
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