目に視えない私と目が見えない彼
検査の結果、どこにも異常は見当たらず、無事に退院できることとなった。車に轢かれたのに、命に別状はなくて先生たちも驚いていた。

退院した私は「あと数日は学校休みなさい」と言う心配性のお母さんの言われるがまま、学校にはまだ登校していなかった。

退院後、数日学校を休んで来週から学校へ行く予定だった。


気分転換にいつもと違うスーパーにお母さんと買い物に来ていた。空は思わず見入ってしまうほど綺麗な夕焼けが広がっていた。

「あ、お父さんにお願いされていたもの、買い忘れちゃった!未蘭、もう一回スーパーに戻っていい?」

「えー、仕方ないなあ」


再びスーパーへと向かう。お母さんとしばらく歩いていると、少し先に公園が見えてきた。どくん、と心臓が跳ねた。吸い寄せられるようにその公園から目が離せない。

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