目に視えない私と目が見えない彼




対象者の若菜さんが学校が終わって、帰り道でのことだった。



ちょうど路地に入り道幅が狭い道を歩き始めると、前から走ってきた自転車が、バランスを崩したようでガタガタと左右に揺れ出した。


バランスを取りながら立て直そうとしている様子だけど、今にも倒れそうだ。


ちょうど近くを歩いていた若菜さんは、携帯を触って俯いているので、前が見えていない。


このままだと、自転車とぶつかってしまう。


どうしよう、危ないっ・・・・・、


焦って迷ってる間に、危険がすぐ目の前まできていた。


・・・・・・っ、


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