目に視えない私と目が見えない彼
「声出しちゃった。これってまずいよね?」

「ああ。でも、今回は守護対象者に未蘭の存在がバレたわけじゃないから。今回はセーフだと思うよ」

「・・・・・・それって誰が判断するの?」

「それは俺も知らないんだけど、ルールを破ったことが上層部にバレるとスマホに警告がくるらしい」

「・・・警告かあ」

「そしたら、本当にまずい」

「・・・・・気をつけます」

守護霊(しゅごれいだいこう)の仕事に慣れるまでは、生きてる時の癖で声を出しちゃうのは、よくあることだから気にしすぎないで!ただ、今後は注意すること!」

「うん」

「上層部は、いつ俺らのことを監視してる分からないから、気をつけろよ」

「・・・・・気をつけます」

「まあ、結果的には守護対象者も怪我せずに済んで、良かったけどな」




対象者にバレてはいけないから話しかけることも、もちろんルール違反。


守護対象者の若菜さんに、危険だったとはいえ、声をあげてしまったことは反省点だった。

自分の行いにしっかりと反省しつつ、なんとか守護霊代行1日目が終わろうとしていた。
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