目に視えない私と目が見えない彼
「さっきはミスしちゃったけど、他は今日の感じで大丈夫だよ。明日からは1人で頑張れよ」

「まだ全然わからないことだらけだよ」


明日から柊が側にいないと分かると、不安が襲ってくる。なんとか引き留めたくて、縋る思いで視線を向けた。


「不安なのはわかるけど、今日の感じで大丈夫だから、自信持って!」


私の不安を拭うように、いつも以上に優しい声だった。その優しい声に感化されて、私はゆっくり頷いた。


「・・・・・・うん、頑張ってみる」



守護霊代行。
神様みたいな力はないけれど、ちょっとだけ小さな危険を助けて、人の手助けをする。

若菜さんの危険を助けることができて、達成感のような、満ち足りた気持ちになった。

守護霊代行の私にできること、もっと、なにかないかな。空を見上げならそんなことを思っていた。
< 38 / 256 >

この作品をシェア

pagetop