目に視えない私と目が見えない彼
「なに?」


立ち止まる私に投げかけられたその言葉からは、不機嫌さをすぐに感じ取れた。


「・・・・・・絵が素敵だなって」

「これが?光なんてねぇのに?」

「えっ?」


ボソッと呟いたその声は耳に届いていたけど、言葉の意味は理解できなかった。


どういう意味だろう・・・・・・。気になったけど、先輩の雰囲気が少し怖くて聞けなかった。
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