目に視えない私と目が見えない彼
「ちょっと!待って!」

女の子が走る先には、車が走っている道路に出てしまう。そのまま走って行ったら危ない。
 
小学生の脚力は想像以上に早くて、考えるよりも先に体が動いて、慌てて後を追う。


全速力で追いかけて、なんとか道路に出てしまった女の子の腕をつかむ。


はぁ、間に合った。よかった・・・・・・。
いきなり走って息切れをしていた呼吸を整えて、直ぐに道路から離れようと、足を1歩進めた。

と同時にクラクションの音が鳴り響く。


音がした方を振り向くと、乗用車がすぐ目の前まで来ていた。



身体が動かない・・・・・・、
あっ、これダメなやつだ。


———車に轢かれる、
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