目に視えない私と目が見えない彼
「ぎゃはは」
「お前、馬鹿じゃね?」
他の生徒たちの声より、遥かに大きい2人の笑い声が響き渡る。制服を着崩してアクセサリーをジャラジャラと付けている。
2人のうちの片方の男子生徒が、来衣先輩をジーッと見つめている。
そして、連れの男にヒソヒソと何かを話し始めた。ニヤリと口角を上げて、人を馬鹿にしたような薄笑いをしていた。
その様子を見ていて、不快感が募る。
・・・なんか、嫌な感じだな。
2人組に良い印象は持てなかった。