目に視えない私と目が見えない彼
薄ら暗くなった景色に、一際目立つ光が放たれている。背中に照明の光を浴びて、コンビニの前に来衣先輩が立っていた。
遠目から見ても目を惹くスタイル。
カッコイイ・・・。
そりゃあ、モテるはずだ。
ゆっくりと来衣先輩のいるところへ向かって歩いていくと、下を向いていた顔をぱっとあげた。
私のことを見つけてくれたような、錯覚に陥ってドクドクと心臓の音がうるさくなる。
「・・・・・・やっぱり、未蘭だけは見つけられる」
「えっ?」
「俺、網膜色素変性症っていう病気で目が見えないんだけど・・・・・・未蘭だけは見つけられるんだ」
「・・・・・・私のこと視えてるんですか?」
「見えてるというより、存在を感じるっていう感じだな。見えないけど・・・・・・確かにそこにいるだろ?」
胸の奥がぎゅっと締め付けられるように痛かった。それと同時に心の奥があたたかくなるのを感じだ。
存在していない私を見つけてくれる・・・—。
ダメなことなのに、わかってるのに
・・・・・・嬉しい。