目に視えない私と目が見えない彼
「明日も学校で会いにきてよ」
「そ、それは約束できないです」
「えぇ、俺、周りから見放されて独りなのに?」
ず、ずるい。そんなこと言われたら断れない。
落胆するように眉を八の字にする来衣先輩の表情が追い打ちをかける。
そんな顔されたら、断れない・・・・・・。
「す、少しだけなら・・・・・・」
ちらりと来衣先輩を見上げると、満足そうな笑みを浮かべていた。笑顔を見ると同時に、胸が高鳴る。
きゅ・・・・ん?
胸の奥がきゅっとなる。
———この感情が恋だなんて
恋愛偏差値が低い私にはわからなかったんだ。