目に視えない私と目が見えない彼
「もう、そろそろ任務終わりの時間だな」
「・・・え、もうそんな時間なの?」
どうやら来衣先輩と話し込んでいたら、思っていたよりだいぶ時間が経過していたようだ。
「・・・体感的には数分くらいの感じだったのになあ」
「楽しかったってことだろ?」
「そ、そうなの、かな」
「楽しいことほど、時間が過ぎるの早いって言うしな」
来衣先輩と話す時間は、ドキドキしたり感情が忙しくて、時間が過ぎるのがあっという間だった。
現世の夜道をゆっくりと歩きながら、今日一日の出来事を振り返っていた。
今日の守護対象者の田口先生は、思っていたイメージと違って良い先生だったなあ。
・・・・田口先生のことを考えていたはずなのに、いつのまにか、頭に浮かんでいるのは来衣先輩の笑顔だった。
その理由がわからず、考えているうちに、2人目の守護霊代行の任務が終わろうとしていた。