契約結婚のはずが、御曹司は一途な愛を抑えきれない
「はい?何言ってるんですか」

「俺は妻が必要だ、お前と生涯を共にしたいんだ」

ミクはなんと、辰巳グループ御曹司にプロポーズされたのだ。

まさか、信じられるわけがない。

一夜を共にしただけの関係で、お互いに相手のことは何も知らない。

でも、私はもう三十六歳を迎えた。

ここで、社長と結婚すれば、この先の生活は安泰だ。

でも、こんなイケメン、信じられるわけがない。

外に愛人を作って、食事はいつも一人で、休みの日は一人で過ごすことになるんじゃないのか。

お金はあるが、愛情がない夫婦になってしまうんじゃないか。

「ミク、どうだ」

「ちょっと考えさせてください」

「俺のマンションで考えろ」

私はあれよあれよと引っ越しすることになった。

省吾のマンションへつくと、ミクは驚いた。

凄いセキュリティ、タワーマンションの最上階、全面ガラス張りで眺めは最高だった。

キッチンは綺麗に片付いている。

「こっちがバスルームだ」

バスルームは大理石で出来ている。

しかも広い。

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