契約結婚のはずが、御曹司は一途な愛を抑えきれない
俺の帰りを待たなくていい」

「はい」

「それと、休みの日は勝手に出かけて構わない、俺が予定を空けとけと言った時以外は、
自由に行動して構わない」

私は考えていた。

「なんだ、不服か」

「いいえ」

私を好きで結婚したいわけじゃないんだ、そうだよね、妻が必要って言ってたし、

好きで、誰にも渡したくないから、すぐにでも結婚したいとか、そんな恋愛小説みたいな

プロポーズなわけじゃないよね。

「ミク、どうかしたか?」

「どうもしません」

「そうか、それからこれを使え」

そう言って差し出したのはクレジットカードだった。

「これから、全て必要なものはこれで支払ってくれ」

「わかりました」

「それから」

省吾はミクに現金も渡した。

「なんですか」

「ミクの小遣いだ、現金もないと困ることがあるだろうからな」

ミクは仕事を辞めて、無収入になったので、ありがたかった。

「では、遠慮なく、頂きます」

「もう、こんな時間か、じゃ、おやすみ」

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