契約結婚のはずが、御曹司は一途な愛を抑えきれない
省吾は自分の寝室に入っていった。

これって、結婚生活じゃなくて単なる同居だよね。

なんで、私、がっかりしてるの?

いいことじゃない、何も求めてこないし、それなのに、寂しいって感じるこの気持ちは何?

俺は辰巳グループ御曹司、辰巳省吾。

社長に就任して、早く結婚をと迫られていた。

今まで付き合う女性は、結婚まで行かない。

俺の何がいけないんだ。

おれの相談役、渡辺淳二に相談すると、渡辺はこう分析した。

「省吾様は一途過ぎます、それに毎日毎晩一緒って女性にとって窮屈なんですよ」

「はあ?好きだから付き合いたい、ずっと一緒にいたい、毎晩抱きしめたい、普通だろ?」

「確かにそうなんですが、それは相手も同じ気持ちならいいんですが、
まだよくわからない段階でグイグイ迫っては、引かれるだけです」

「それは愛情がないと言うことだろう」

「ですから、好きになってもらわなくてはいけません、いいですか、
お相手の女性に、省吾様に対して、愛情を感じられないなら、こちらも
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