契約結婚のはずが、御曹司は一途な愛を抑えきれない
省吾は自分が楽しいなら、相手も楽しいはずと思ってしまう。

でも、この時はミクも楽しかった。

二人の距離は離れたり、くっついたり、お互いの気持ちがわからないまま、進行していた。

「ミク、今週の日曜日、俺の母親にお前を紹介するから予定しておいてくれ」

「はい」

ミクは緊張してきた。

今すぐではないのに、緊張が半端ではなかった。

だって、相手の親に挨拶なんて、ミクにとってははじめての経験だった。

いくら、お互いの利害の一致からの契約結婚でも、緊張する。

そして、挨拶する日曜日がやってきた。

寝室から出てきた省吾に、ミクは挨拶した。

「おはようございます、朝食召し上がりますか」

「あ、ああ」

二回目の一緒の食事。

休みの日は三食共、一緒に食事をしている。

今日は二回目の休日だ。

平日はミクは一人で済ましている。

やっぱり、二人の方が楽しいし、美味しく感じる。

それは省吾も同じことを感じていた。

朝食を済ますと、省吾とミクは省吾の実家に向かった。

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