契約結婚のはずが、御曹司は一途な愛を抑えきれない
第四章　突きつけられた真実
それなのに、辰巳グループ御曹司辰巳省吾に契約だが、プロポーズされて、夫婦となった。

本当の夫婦と変わりない。

違う点と言えば、愛がない関係だと言うこと。

でも、時々錯覚してしまう、私は愛されているのではないかと……

そんな錯覚を錯覚だと思わせる出来事があった。

省吾が珍しく、見たこともない高級車で帰宅した。

マンションのエントランス入口に車は停車した。

省吾は運転席ではなく、助手席から降りた。

ミクはコンビニに行こうと、エレベーターでエントランスに降り立った。

そこに省吾の乗った車が停まった。

省吾の姿を見かけたミクは、省吾に駆け寄ろうとした。

すると、運転席から女性が降りて、省吾に駆け寄って、首に手を回して、抱きしめた。

嘘。

ミクは慌てて、エレベーターのボタンを連打した。

早く、早くきて。

エレベーターのドアが開くと、急いで飛び乗り、最上階のボタンを押した。

ドアは閉まって、エレベーターは最上階に向かって動き出した。

< 26 / 76 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop