契約結婚のはずが、御曹司は一途な愛を抑えきれない
ふっと目を覚ますと、ベッドのそばで省吾が心配そうな表情を見せた。

「省吾さん」

「ごめん、勝手に部屋に入って、心配だったから、具合はどお?」

「大丈夫です、心配する人を間違っているんじゃないですか」

「どう言うこと?」

「出て行ってください」

ミクは毛布を頭からかぶり、背を向けた。

省吾はミクがなぜ機嫌が悪いのか皆目わからなかった。

ミクは食事もしないで、部屋にこもったので、お腹がグーっと鳴った。

もう、こんな時でもお腹は空くんだ、全くもう。

ミクはそっとドアを開けた。

省吾がキッチンにもリビングにもいないことを確認すると、冷蔵庫から

ヨーグルトを出して、フルーツを入れて、食べた。

「ああ、美味しい」

そこへ、省吾が寝室から出てきた。

「ミク、大丈夫なのか」

ミクはびっくりして、慌てて、部屋に戻ろうとした。

省吾はミクの腕を引き寄せた。

「何を怒ってるんだ、ちゃんと話してくれないとわからないだろう」

「離してください」

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