契約結婚のはずが、御曹司は一途な愛を抑えきれない
二十代の時、三十歳も年上の男性にプロポーズされて結婚した。

あれから十五年経った現在、ご主人は七十代だが、仲良くしているとのことだ。

残念ながら子供には恵まれず、だからこそ、ご主人とラブラブなのかもしれないと、

ミクは以前から羨ましかった。

「何、いよいよ恋人と結婚するの?」

エマは興味深々で尋ねた。

「結婚はもうした」

「えっ、何よ、なんで連絡してくれなかったの?」

エマはミクに詰め寄った。

「だって、違う男性だから……」

「えっ?」

エマは驚いた表情を見せた。

「彼には振られたの」

「そうだったんだ、それで、結婚した相手は誰よ」

「辰巳グループ御曹司辰巳省吾さん」

「嘘!」

「そうだよね、誰だって信じられないよね」

エマはスマホで省吾を検索し始めた。

「三十歳?しかも超イケメンじゃない」

「契約結婚なの」

エマはポカンと口を開けた。

「でも、婚姻届は提出したんでしょ」

ミクは頷きながら、指輪をエマに見せた。

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