契約結婚のはずが、御曹司は一途な愛を抑えきれない
「何にも悩むことないじゃない」

「それが、彼女いるんだもん」

「それでも、ミクと結婚したんだから、関係ないよ」

「だって、寝室も食事も別で、休みも出かけるのは自由だし……」

「いいことだらけじゃない」

「それなのに、昨夜、抱かれそうになって、私もなんか変な気分になって、
危ないところで逃げ出したけど、彼女がそんなこと知ったらかわいそうって思って」

「優等生かって、全く」

「だって」

「ミクの魅力に気づいて欲情したんだよ」

「何言ってるの、あり得ないし……」

「あら、男なんてそんなもんだよ、ミクは年だけ重ねて、中身は子供なんだから、
もう少し大人にならないとダメよ、男は愛がなくても抱けるんだよ」

「もう、聞きたくない」

ミクはそう言って自分の耳を塞いだ。

「ミク、今晩うち来る?旦那は出張だから」

「いいの?」

「うん」

ミクはエマのマンションに泊まらせてもらうことになった。

「エマ、羨ましいなあ」

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