契約結婚のはずが、御曹司は一途な愛を抑えきれない
「このメモ、なんでこんな状態なんだ」

「財前由美子様がこの書類を渡してくださいました」

省吾はなんで由美子がと不思議だった。

もしや、ミクが持ってきてくれたのを、由美子が秘書に渡したのか。

そして、すぐにミクの元に向かった。

ミクは俺が忘れた書類を持ってきてくれた。

そして、俺と由美子の姿を抱擁だと勘違いしたんだ。

だから、デスクの上に置いてこの場から去った。

それを由美子はメモを握りつぶして、あたかも自分が持ってきたように秘書に渡した。

どう言うつもりだ。

俺はミクが心配になった。

その頃、ミクはマンションで落ち込んでいた。

私は初めから契約結婚だったはず。

省吾さんは財前由美子さんと結婚が決まっていた。

そうよ、私は省吾さんに愛されているわけじゃないのよ。

それなのに、なんでこんなにも涙が溢れて止まらないの?

私、省吾さんを好きって事?

そこへインターホンが鳴った。

今頃誰?

インターホンの画面に映し出されたのは、元彼だった。

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