契約結婚のはずが、御曹司は一途な愛を抑えきれない
その頃ドアを隔てたミクも同じことを考えていた。

確かに真人に対して未練はあった。

でも今更後悔してるなんて言われても、私はさっき自分の気持ちに気づいたばかりだ。

省吾さんが好き。

でも省吾さんは、私と契約の関係だ。

それに由美子さんがいる。

由美子さんとは関係ないなんて言ってたけど、まだ関係を明かす時期ではないのかもしれない。

私に省吾さんとの契約結婚を続けてほしいのかもしれない。

だから、元彼とよりが戻って、契約結婚解消はまずいのかもしれない。

だって、省吾さんは私を愛してくれているわけではないのだから。

ミクと省吾はお互いにすれ違う気持ちなど知るよしもなかった。

省吾は慌てて会社に戻った。

「ミク、由美子さんとは何もないから、それから俺はミクとの関係も変える気持ちはない、
会社に戻る」

ドアがガチャンと閉まる音がして省吾は会社に向かった。

なんで、好きだっていえないんだ俺は、関係を変える気持ちはないなんて、

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