契約結婚のはずが、御曹司は一途な愛を抑えきれない
ミクの動揺している顔を覗き込んだのは後輩のあやかだった。

「違うってば、誤解だから」

「だって、先輩は社長に食事に誘われたんですよ、いいな」

「じゃあ、私の代わりに行ってきて」

「えっ?いいんですか」

「いいも何も、お願い、具合悪くなったから、早退したって言って」

「了解です、それで、先輩はどうするんですか」

「私、本当に早退するね」

「わかりました」

とにかく、なるべく顔を合わさないようにしよう。

あんな失態見せちゃって、酔って、抱いてくださいって迫って、覚えていないなんて。

あ?、どうしよう。

本当に具合悪くなってきた。

「部長、私、早退させてください」

「だって、お前、社長と食事行くんだろう」

ミクはまさかと顔の前で手を振った。

「行きません、具合悪いんです、代わりにあやかちゃんに頼みましたから」

「付き合ってるわけじゃないのか」

「当たり前です、きっと、会社のことを知りたいんだと思いますから、
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