契約結婚のはずが、御曹司は一途な愛を抑えきれない
「ミクと別れて、すぐにミクの存在の大きさに気づいた、俺にはミクが必要なんだって」

ミクは頭の中が混乱して、正確な判断が出来ずにいた。

「奴と別れて、俺と結婚してくれ」

「そんなこと出来ないよ」

「どうして?奴とは契約結婚なんだろう、契約解消すれば済むことじゃないか」

ミクは戸惑いを露わにした。

なんだよ、ミクは奴が好きなのか?

「ミク、俺の時と同じように、奴も婚約者との結婚が進めば、お前は捨てられるんだぞ」

ミクは図星をつかれた思いだった。

「真人、帰って、私は今は辰巳省吾の妻よ、真人についていけない」

「お前をこのままおいていけるかよ」

真人はミクの腕を掴み、連れ出そうとした。
「真人、離して、お願い」

真人はミクを強引にマンションから連れ出した。

マンションの前に停めてあった車にミクを押し込み車を走らせた。

「真人、降ろして」

「だめだ、ミクは俺のものだ、奴には渡さない」

省吾は仕事が終わり、マンションに戻って愕然とした。

< 60 / 76 >

この作品をシェア

pagetop