契約結婚のはずが、御曹司は一途な愛を抑えきれない
インターホンを押すと、省吾が応対した。
「ミク」
ドアが開くと省吾は部屋着姿で立っていた。
省吾はミクの腕を引き寄せ抱きしめた。
「ミク、帰ってきてくれたんだろう」
「省吾さん、先生からお電話頂いて、具合が悪いなら入院して、検査を受けてください」
「矢部先生がミクに電話をしたのか」
「なんで、入院しないんですか」
省吾はミクの頬を両手で掴み、キスをしようと試みた。
ミクは咄嗟に顔を背けた。
「俺、嫌われたのか」
「違います、私が省吾さんを裏切ったから、省吾さんの優しさに甘えられる女ではないんです」
「海城に身体を許したとか?」
ミクは驚きの表情を見せた。
「図星か」
省吾はミクの首筋のキスマークを確認した。
「ミクは海城が好きなのか」
ミクは言葉に詰まった。
「俺はミクと別れるつもりはない」
ミクは省吾の言葉に驚きの表情を見せた。
「ミクの心の中に俺がいなくても、海城に抱かれたとしても、俺はミクを手放すつもりはないから」
「省吾さん」