契約結婚のはずが、御曹司は一途な愛を抑えきれない
第二章 契約結婚
省吾はずかずかとミクの部屋に入ってきた。

「このアパートはセキュリティ、ないも同然だな」

「仕方ないですよ、万全なセキュリティのマンションなんて借りれません」

「辰巳グループはそんなに給料、ボーナス少ないのか」

「いえ、私、田舎の両親に仕送りしてるので、残りで生活しているから、これ以上の家賃は払えないんです」

「そうなのか」

省吾は部屋を見回した。

「社長、そんなにじろじろ見ないでください、恥ずかしいですから」

その時、省吾はとんでもないことを告げた。

「ミク、俺のマンションに一緒に住まないか」

「はい?」

「そうすれば、家賃と水道光熱費浮くだろう」

家賃と水道光熱費がただ?

いやいや、無理でしょ。

そんなおいしい話があるはずがない。

絶対に交換条件がある。

「交換条件はなんですか」

「交換条件?」

「私に取ってメリットありますけど、社長に取ってメリットありますか」

省吾はミクに向かって、頭を下げた。

「俺と結婚してくれ」

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