幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
「皆様、本日は新東京フィルハーモニー交響楽団のバレンタイン・ガラ・コンサートへようこそお越しくださいました」
開演時間になり、まずは赤いドレスの司会女性が挨拶する。
「今日はバレンタインデーということで、客席にもたくさんのカップルの方がいらしてくださっていますね。普段はあまりクラシック音楽をホールで聴く機会がないけれど、今日は恋人に誘われて来てみた、という方もいらっしゃるかもしれません。そんな方々にも楽しんで頂けるよう、そして恋人との素敵なひと時を過ごしていただけるようにと、今夜は甘い愛の曲を取り揃えてお贈りいたします」
朱里はワクワクとプログラムに目を落とす。
第一部は、シューマンの『献呈』や、クライスラーの『美しきロスマリン』など、短く聴きやすい曲が続く。
休憩を挟んだ第二部では、司会女性と共にマエストロの東条もマイクを握った。
「えー、皆様すでに熱い恋の熱気に包まれているようですが、まだまだ曲は続きます。本当は長い曲なのですが、恋は盲目と申しますし、今夜は特別に甘いメロディを抜粋して演奏いたします。2023年に生誕150周年を迎えるラフマニノフが作曲した『交響曲第二番』より第三楽章、そして同じくラフマニノフ作曲『パガニーニの主題による狂詩曲』より第十八変奏、2曲続けてお聴きください」
一瞬たりとも聴き逃すまいと、朱里はステージを凝視する。
ホール中の空気を震わせる甘美な音色、うっとりと美しいメロディに、朱里は胸がいっぱいになる。
最後の曲はワーグナー作曲、歌劇『ローエングリン』より『エルザの大聖堂への行進』
これも朱里の大好きな曲だった。
静かに厳かに奏でられる冒頭から、ラストにかけて徐々に増していく壮大さに、朱里は感動で胸が震える。
曲が終わって拍手を送りながらも、朱里は涙を止めることが出来なかった。
開演時間になり、まずは赤いドレスの司会女性が挨拶する。
「今日はバレンタインデーということで、客席にもたくさんのカップルの方がいらしてくださっていますね。普段はあまりクラシック音楽をホールで聴く機会がないけれど、今日は恋人に誘われて来てみた、という方もいらっしゃるかもしれません。そんな方々にも楽しんで頂けるよう、そして恋人との素敵なひと時を過ごしていただけるようにと、今夜は甘い愛の曲を取り揃えてお贈りいたします」
朱里はワクワクとプログラムに目を落とす。
第一部は、シューマンの『献呈』や、クライスラーの『美しきロスマリン』など、短く聴きやすい曲が続く。
休憩を挟んだ第二部では、司会女性と共にマエストロの東条もマイクを握った。
「えー、皆様すでに熱い恋の熱気に包まれているようですが、まだまだ曲は続きます。本当は長い曲なのですが、恋は盲目と申しますし、今夜は特別に甘いメロディを抜粋して演奏いたします。2023年に生誕150周年を迎えるラフマニノフが作曲した『交響曲第二番』より第三楽章、そして同じくラフマニノフ作曲『パガニーニの主題による狂詩曲』より第十八変奏、2曲続けてお聴きください」
一瞬たりとも聴き逃すまいと、朱里はステージを凝視する。
ホール中の空気を震わせる甘美な音色、うっとりと美しいメロディに、朱里は胸がいっぱいになる。
最後の曲はワーグナー作曲、歌劇『ローエングリン』より『エルザの大聖堂への行進』
これも朱里の大好きな曲だった。
静かに厳かに奏でられる冒頭から、ラストにかけて徐々に増していく壮大さに、朱里は感動で胸が震える。
曲が終わって拍手を送りながらも、朱里は涙を止めることが出来なかった。