幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
「それで、これが桐生ホールディングスから贈ったお花の写真です。ロビーの良く目立つ所に飾っていただいてました」
あれから菊川の運転する車で聖美を送って行き、瑛の屋敷に戻ってくると、朱里は瑛の父に今日のことを報告していた。
「うん、なかなかセンスの良いお花だね。どうして菊川が嬉しそうに一緒に写っているのか不思議だけど」
それはまあ、色々ありまして…と朱里は笑ってごまかす。
「終演後、事務局長とマエストロにお会いして、差し入れをお渡ししました。お花と祝電も、ありがとうございましたとおっしゃっていました。それでおじ様。来週中には、未来ハーモニーホールでの演奏会について、おじ様を交えて打ち合わせをしたいと話していまして…。演奏会は3月の終わりですから、そろそろ具体的なコンセプトや演奏会のタイトル、曲目を決めていければと」
「そうだね。私もスケジュールを調整するから、先方と日程を決めてくれるかい?」
「はい、承知しました」
その時、千代が朱里に小さなデザートプレートをサーブしてくれた。
「朱里お嬢様、よろしければどうぞ。バレンタインのトリュフチョコレートです」
「わあー!ありがとう、千代さん。そう言えば私、今日誰からももらわなかったから、嬉しい!」
パクッとチョコを頬張り満面の笑みで味わっていると、隣に座る瑛が、ん?と首をかしげた。
「おい、朱里。バレンタインってどういう日か分かってるか?」
途端に朱里はムッとする。
「部長。下の名前で呼ばない約束ですよね?」
「それはいいから…」
「よくないです!大体、部長からそう言われたのに、どうしていつも約束破るんですか?」
「分かったよ!栗田さん!バレンタインデーはどういう日か分かりますか?」
「分かりますよ!それくらい。チョコをもらう日です」
「誰から?」
「男の人から。あー、そう言えば私、会社で義理チョコすらもらってなーい」
瑛はやれやれとため息をつく。
「栗田さん。あなたがもし女性だとすると、勘違いしてますよ」
「はあー?部長、またセクハラですか?」
「違うっつーの!あーもう、めんどくせー。朱里、バレンタインデーは女の子が好きな男にチョコをあげる日だ!」
ん?と朱里は固まったまま瞬きを繰り返す。
「女の子が男の人に?ってことは、私から?」
「そう!ちなみにお前がさっき言ってた義理チョコ。今日、田畑さんも川辺さんも、お前からもらえるかなってソワソワしてたぞ」
「えー!!嘘でしょーー?!」
両手で頬を押さえて絶叫したあと、朱里は慌てて厨房に駆け込んだ。
「千代さーん!さっきのチョコ、まだ残ってるー?」
瑛は、はあ…と大きくため息をついた。
あれから菊川の運転する車で聖美を送って行き、瑛の屋敷に戻ってくると、朱里は瑛の父に今日のことを報告していた。
「うん、なかなかセンスの良いお花だね。どうして菊川が嬉しそうに一緒に写っているのか不思議だけど」
それはまあ、色々ありまして…と朱里は笑ってごまかす。
「終演後、事務局長とマエストロにお会いして、差し入れをお渡ししました。お花と祝電も、ありがとうございましたとおっしゃっていました。それでおじ様。来週中には、未来ハーモニーホールでの演奏会について、おじ様を交えて打ち合わせをしたいと話していまして…。演奏会は3月の終わりですから、そろそろ具体的なコンセプトや演奏会のタイトル、曲目を決めていければと」
「そうだね。私もスケジュールを調整するから、先方と日程を決めてくれるかい?」
「はい、承知しました」
その時、千代が朱里に小さなデザートプレートをサーブしてくれた。
「朱里お嬢様、よろしければどうぞ。バレンタインのトリュフチョコレートです」
「わあー!ありがとう、千代さん。そう言えば私、今日誰からももらわなかったから、嬉しい!」
パクッとチョコを頬張り満面の笑みで味わっていると、隣に座る瑛が、ん?と首をかしげた。
「おい、朱里。バレンタインってどういう日か分かってるか?」
途端に朱里はムッとする。
「部長。下の名前で呼ばない約束ですよね?」
「それはいいから…」
「よくないです!大体、部長からそう言われたのに、どうしていつも約束破るんですか?」
「分かったよ!栗田さん!バレンタインデーはどういう日か分かりますか?」
「分かりますよ!それくらい。チョコをもらう日です」
「誰から?」
「男の人から。あー、そう言えば私、会社で義理チョコすらもらってなーい」
瑛はやれやれとため息をつく。
「栗田さん。あなたがもし女性だとすると、勘違いしてますよ」
「はあー?部長、またセクハラですか?」
「違うっつーの!あーもう、めんどくせー。朱里、バレンタインデーは女の子が好きな男にチョコをあげる日だ!」
ん?と朱里は固まったまま瞬きを繰り返す。
「女の子が男の人に?ってことは、私から?」
「そう!ちなみにお前がさっき言ってた義理チョコ。今日、田畑さんも川辺さんも、お前からもらえるかなってソワソワしてたぞ」
「えー!!嘘でしょーー?!」
両手で頬を押さえて絶叫したあと、朱里は慌てて厨房に駆け込んだ。
「千代さーん!さっきのチョコ、まだ残ってるー?」
瑛は、はあ…と大きくため息をついた。