幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
第十七章 堪え切れない想い
「それではコンセプトは「どなたでも大歓迎!みんなで気軽に楽しめるコンサート」ということで。タイトルはどうしましょう?」
翌週。
社長である瑛の父も交え、本社の会議室で、新東京フィルの事務局長と東条との打ち合わせを行っていた。
「んー、そうだな。お子様も来やすい雰囲気にしたいから、ワクワクコンサートとか、ファミリーコンサート、そんな感じのワードを入れたらどうかな?」
東条の提案を、朱里はホワイトボードに書き込む。
「サブタイトルをつけるのはどうでしょう?みんな集まれ!みたいな」
「うんうん。誰でもウエルカム!とか」
田畑や川辺の提案も、ボードにさらさらと付け加える。
挙がってきたワードを組み合わせ、コンサートのタイトルは、
「桐生ホールディングス プレゼンツ
みんなおいでよ!わくわくコンサート」
に決まった。
「あとは選曲か。初めてコンサートを聴きに来る子ども達も楽しめて、飽きずに聴いてもらえる曲…。うーん。朱里さん、何かアイデアある?」
東条に話を振られ、朱里は少し考え込む。
「そうですね…。オーケストラはもちろんですが、色々な演奏形態を紹介するのはどうでしょうか?例えばピアノ曲なら、ピアノを習っている子ども達も聴き入ってくれると思いますし、カルテットやアンサンブル、だんだん演奏者が増えていくことによって、最後のオーケストラがいかに迫力あるものかも分かってもらえると思います」
東条は、じっと宙を見据えてから頷いた。
「それ、試しにプログラミングしてみよう。まずはピアノ曲から。ピアノを習っている子ども達が知っている曲、例えば『エリーゼのために』とか?」
「ええ。ブルグミュラーの連弾曲もいいですね。あ!『エリーゼのために』でしたら、そのあとベートーヴェン繋がりで『スプリング・ソナタ』はどうでしょう?」
「それいいな!ちょうど春だし。うん、そうしよう。そこでヴァイオリンソロを紹介出来るだろ?そしたら次は?」
「んー、アンサンブルで歌曲もいいですね」
「確かに。じゃあ第一部はそんな感じで色々な演奏形態にしよう」
東条の言葉に皆で頷く。
「そして第二部は、オールオーケストラですね」
「そうだな。うーん、何がいいだろう。エルガーの『威風堂々』とか?」
「そうですね。『威風堂々』は子ども達がリコーダーで練習する学校もありますしね。あとは…ホルストの『木星』はどうでしょう?ルロイ・アンダーソンも楽しくていいですし」
「あー、確かに」
朱里と東条のやり取りで、曲目がどんどん具体的に決められていく。
「アンコールは、やはりマーチでしょうか?」
「うん、そうだな」
「そしたらそのアンコールの時に、音の出る楽器、例えば鈴やカスタネット、タンバリン、マラカスなどを子ども達に鳴らしてもらってもいいですね」
「おおー、そうだな。なんなら、指揮者もやってもらおうかな」
「いいですねー!未来のマエストロ!」
東条と朱里の話は、どんどん盛り上がる。
皆もそれに賛同する形で、プログラムはほぼ決定した。
翌週。
社長である瑛の父も交え、本社の会議室で、新東京フィルの事務局長と東条との打ち合わせを行っていた。
「んー、そうだな。お子様も来やすい雰囲気にしたいから、ワクワクコンサートとか、ファミリーコンサート、そんな感じのワードを入れたらどうかな?」
東条の提案を、朱里はホワイトボードに書き込む。
「サブタイトルをつけるのはどうでしょう?みんな集まれ!みたいな」
「うんうん。誰でもウエルカム!とか」
田畑や川辺の提案も、ボードにさらさらと付け加える。
挙がってきたワードを組み合わせ、コンサートのタイトルは、
「桐生ホールディングス プレゼンツ
みんなおいでよ!わくわくコンサート」
に決まった。
「あとは選曲か。初めてコンサートを聴きに来る子ども達も楽しめて、飽きずに聴いてもらえる曲…。うーん。朱里さん、何かアイデアある?」
東条に話を振られ、朱里は少し考え込む。
「そうですね…。オーケストラはもちろんですが、色々な演奏形態を紹介するのはどうでしょうか?例えばピアノ曲なら、ピアノを習っている子ども達も聴き入ってくれると思いますし、カルテットやアンサンブル、だんだん演奏者が増えていくことによって、最後のオーケストラがいかに迫力あるものかも分かってもらえると思います」
東条は、じっと宙を見据えてから頷いた。
「それ、試しにプログラミングしてみよう。まずはピアノ曲から。ピアノを習っている子ども達が知っている曲、例えば『エリーゼのために』とか?」
「ええ。ブルグミュラーの連弾曲もいいですね。あ!『エリーゼのために』でしたら、そのあとベートーヴェン繋がりで『スプリング・ソナタ』はどうでしょう?」
「それいいな!ちょうど春だし。うん、そうしよう。そこでヴァイオリンソロを紹介出来るだろ?そしたら次は?」
「んー、アンサンブルで歌曲もいいですね」
「確かに。じゃあ第一部はそんな感じで色々な演奏形態にしよう」
東条の言葉に皆で頷く。
「そして第二部は、オールオーケストラですね」
「そうだな。うーん、何がいいだろう。エルガーの『威風堂々』とか?」
「そうですね。『威風堂々』は子ども達がリコーダーで練習する学校もありますしね。あとは…ホルストの『木星』はどうでしょう?ルロイ・アンダーソンも楽しくていいですし」
「あー、確かに」
朱里と東条のやり取りで、曲目がどんどん具体的に決められていく。
「アンコールは、やはりマーチでしょうか?」
「うん、そうだな」
「そしたらそのアンコールの時に、音の出る楽器、例えば鈴やカスタネット、タンバリン、マラカスなどを子ども達に鳴らしてもらってもいいですね」
「おおー、そうだな。なんなら、指揮者もやってもらおうかな」
「いいですねー!未来のマエストロ!」
東条と朱里の話は、どんどん盛り上がる。
皆もそれに賛同する形で、プログラムはほぼ決定した。