幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
第十八章 三人の幸せ
「皆様、こんにちは!」
こんにちはー!と、元気な子ども達の声が返ってくる。
朱里は微笑んで言葉を続けた。
「本日は桐生ホールディングスプレゼンツ『みんなおいでよ!わくわくコンサート』にようこそお越しくださいました。私は本日司会を務めます、栗田 朱里と申します。どうぞよろしくお願いいたします」
お辞儀をすると大きな拍手が起こった。
今日はいよいよ、桐生ホールディングスが手掛けたコンサート当日。
この日の為に朱里は毎日準備に追われていた。
観客は関係者のみとは言えど、投資家やマスコミ関係者も来場する。
必ず良いコンサートにしてみせる!と、朱里は直前まで頭をフル回転させて念入りに準備を進めてきた。
子ども達が読みやすいようにプログラムにもイラストを多く入れ、楽器の名前も紹介した。
曲名の横には、その曲の説明を分かりやすく載せようと、東条と何度も言葉を練り直した。
会場内のロビーにも、あちこちに可愛い飾りや記念撮影用のパネルを置き、音楽のクイズを交えたスタンプラリーも設置した。
その甲斐もあってか、開演時間には既に子ども達は笑顔でわくわくとした様子だった。
まずは、社長からの挨拶と、このコンサート開催の経緯が話される。
手短に切り上げたあと、朱里は東条と会話方式で司会を進行していった。
「みんなは、何か楽器を習っているかな?ピアノを習っているよってお友達は手を挙げてください」
朱里の呼びかけに、はーい!と、あちこちで手が挙がる。
「おー、たくさんいるね。嬉しいなあ」
東条がにこにこと会場内を見渡す。
早速ピアノ曲を2曲演奏し、その流れで今度はヴァイオリンを習っている子に手を挙げてもらう。
ピアノほど多くはないが、数人が手を挙げてくれた。
「おっ!男の子もいますね。どう?ヴァイオリンは楽しいかな?」
朱里が尋ねるとその男の子は、めっちゃむずかしいー!と大きな声で言った。
あはは!と笑いが起こる。
「分かる、めっちゃ難しいよな!でも、そんな難しいヴァイオリンをがんばってる君は、めっちゃかっこいいぞ!」
東条の言葉に、男の子は照れたように、ヘヘッと笑った。
「それでは次に、そんなめっちゃ難しいヴァイオリンをソロで演奏してもらいます。ベートーヴェン作曲の『ヴァイオリンソナタ第5番ヘ長調作品24』別名スプリング・ソナタとも呼ばれているこの曲の第1楽章をお届けします。この季節にビッタリの春らしく明るい曲を、どうぞお聴きください」
コンサートマスターがピアノの伴奏で見事に演奏したあと、東条が先程の男の子に聞いた。
「僕、どうだった?今のヴァイオリンの演奏は」
「めっっちゃすごかった!」
あはは!とまたもや笑いが起こり、ステージ上に残っていたコンサートマスターが、うやうやしく頭を下げた。
「どうやったらそんなに弾けるの?」
男の子が思わず尋ねる。
朱里はコンサートマスターにマイクを近づけた。
「このめっちゃ難しいヴァイオリンを弾くには、とにかく練習あるのみです。でも、この曲が弾きたい!っていう気持ちも大事です。どんな曲でもいいから、これを弾けるようになるぞ!って思いながら、これからもがんばってね!」
男の子は、はい!と目を輝かせて返事をした。
こんにちはー!と、元気な子ども達の声が返ってくる。
朱里は微笑んで言葉を続けた。
「本日は桐生ホールディングスプレゼンツ『みんなおいでよ!わくわくコンサート』にようこそお越しくださいました。私は本日司会を務めます、栗田 朱里と申します。どうぞよろしくお願いいたします」
お辞儀をすると大きな拍手が起こった。
今日はいよいよ、桐生ホールディングスが手掛けたコンサート当日。
この日の為に朱里は毎日準備に追われていた。
観客は関係者のみとは言えど、投資家やマスコミ関係者も来場する。
必ず良いコンサートにしてみせる!と、朱里は直前まで頭をフル回転させて念入りに準備を進めてきた。
子ども達が読みやすいようにプログラムにもイラストを多く入れ、楽器の名前も紹介した。
曲名の横には、その曲の説明を分かりやすく載せようと、東条と何度も言葉を練り直した。
会場内のロビーにも、あちこちに可愛い飾りや記念撮影用のパネルを置き、音楽のクイズを交えたスタンプラリーも設置した。
その甲斐もあってか、開演時間には既に子ども達は笑顔でわくわくとした様子だった。
まずは、社長からの挨拶と、このコンサート開催の経緯が話される。
手短に切り上げたあと、朱里は東条と会話方式で司会を進行していった。
「みんなは、何か楽器を習っているかな?ピアノを習っているよってお友達は手を挙げてください」
朱里の呼びかけに、はーい!と、あちこちで手が挙がる。
「おー、たくさんいるね。嬉しいなあ」
東条がにこにこと会場内を見渡す。
早速ピアノ曲を2曲演奏し、その流れで今度はヴァイオリンを習っている子に手を挙げてもらう。
ピアノほど多くはないが、数人が手を挙げてくれた。
「おっ!男の子もいますね。どう?ヴァイオリンは楽しいかな?」
朱里が尋ねるとその男の子は、めっちゃむずかしいー!と大きな声で言った。
あはは!と笑いが起こる。
「分かる、めっちゃ難しいよな!でも、そんな難しいヴァイオリンをがんばってる君は、めっちゃかっこいいぞ!」
東条の言葉に、男の子は照れたように、ヘヘッと笑った。
「それでは次に、そんなめっちゃ難しいヴァイオリンをソロで演奏してもらいます。ベートーヴェン作曲の『ヴァイオリンソナタ第5番ヘ長調作品24』別名スプリング・ソナタとも呼ばれているこの曲の第1楽章をお届けします。この季節にビッタリの春らしく明るい曲を、どうぞお聴きください」
コンサートマスターがピアノの伴奏で見事に演奏したあと、東条が先程の男の子に聞いた。
「僕、どうだった?今のヴァイオリンの演奏は」
「めっっちゃすごかった!」
あはは!とまたもや笑いが起こり、ステージ上に残っていたコンサートマスターが、うやうやしく頭を下げた。
「どうやったらそんなに弾けるの?」
男の子が思わず尋ねる。
朱里はコンサートマスターにマイクを近づけた。
「このめっちゃ難しいヴァイオリンを弾くには、とにかく練習あるのみです。でも、この曲が弾きたい!っていう気持ちも大事です。どんな曲でもいいから、これを弾けるようになるぞ!って思いながら、これからもがんばってね!」
男の子は、はい!と目を輝かせて返事をした。