幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
 「それでは、皆さんお世話になりました」

 朱里と瑛は揃って、見送ってくれる人達に頭を下げる。

 「こちらこそー、コンサート楽しみにしてます!」

 長島の運転するワゴン車に乗り込んだ朱里達を、皆は手を振って見送ってくれた。

 少し走り出すと校舎が見えてきた。

 長島がスピードを落とし、クラクションをプーッと鳴らす。

 すると窓から生徒達が身を乗り出して、手を振ってくれた。

 「瑛さーん!朱里さーん!またねー」

 朱里達も窓から手を出して振り返す。

 「ふふっ、みんな可愛い」
 「ああ。ここの人達はみんな温かいな」

 二人で顔を見合わせて笑う。

 無事に小さな空港に着き、長島と握手しながらお礼を言って別れた。

 「いい所だったねー」
 「そうだな。次に来るのが楽しみだ」
 「うん。良いコンサートにしようね」
 「ああ」

 飛行機の窓から町を見下ろし、行きとは違う気持ちを感じて朱里は微笑んだ。
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