幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
 「じゃあさ、あれじゃない?今はまだ安心してるけど、朱里さんが誰かに奪われそうになったら、急に男になるの。俺の朱里に近寄るな!とかって」
 「分かるー!肩を抱き寄せてね」
 「そうそう!それで朱里さんに言うの。お前、いい加減俺のこと男として見ろよ。俺がこんなにお前に惚れてるのに、気づいてなかったのか?なーんて!」

 いい!それいい!と、女の子達は盛り上がる。

 「あのー、みんな?何かのドラマの話?」

 朱里が苦笑いして尋ねる。

 「朱里さんと瑛さんのドラマですよ!いやーもう、想像膨らむわー。ね、朱里さん。何かあったら逐一私達に報告してくださいね?」
 「いや、何もないってば」

 そう言う朱里の言葉はあっさり聞き流される。

 「やっぱりさあ、そこからは壁ドンだよね?」
 「そうだよねー!で、あごクイからのキス寸止め」
 「きゃーー!寸止めしてどうするの?」
 「お前、今俺にドキッとしただろ?みたいな」

 ひゃーー!と女の子達は仰け反って悶える。

 (あはは、なんだか楽しそうね)

 朱里はたじろぎながら、元気な女の子達を見ていた。
< 147 / 200 >

この作品をシェア

pagetop