幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
 「あ、朱里。お前が優と一緒に寝るのか?」
 「うん、そうよ」
 「そ、それはその、さすがにアレだな。家族でもないのに、申し訳ない」
 「別に構わないけど…。でもそうよね、優くんは1歳になったばかりだもの。何があるか分からないわよね。じゃあ瑛も私と一緒に寝て」

 ね、ね、寝??と瑛はうろたえる。

 「お前、何を言って…」
 「瑛こそ何を勘違いしてるの?優くんの横で寝てってことだよ?」
 「あ、ああ!そうだよな。うん、分かった」

 まだドギマギしている瑛をよそに、朱里は千代に聞く。

 「千代さん。和室に布団を二人分敷いてもらえないかしら?」
 「ええ、かしこまりました。それと今夜は何かありましたら、いつでも千代にお電話くださいね。真夜中でも駆けつけますからね」
 「ありがとう!」

 朱里は千代に笑って頷く。

 「じゃあ瑛。夕食の前にお風呂入っちゃおうか」
 「は?ふ、風呂?!」

 瑛はまたもや勘違いして顔を赤らめる。

 「瑛、先に入って自分の身体と頭を洗ったら呼んでくれる?そしたら私もあとから入るから」
 「ちょ、あ、あの、それは一体…」
 「瑛さん、とにかく行きましょう」

 妄想が膨らむ瑛を、菊川が遮ってバスルームに促した。
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