幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
 「東条さん。今回も本当にありがとうございました」

 瑛と朱里は、揃って東条にお礼を言う。

 「こちらこそ。また素晴らしい機会をいただいて光栄です」
 「ありがとうございます。第2弾もありますので、今後ともよろしくお願いいたします」

 すると、ふと東条は表情を変えて瑛と朱里を見比べる。

 「桐生さん。なんだか急に男らしく、頼もしくなりましたね。朱里さんも、なんだろう…女性としての美しさが増したような」
 「え?」

 しばらく二人を見比べて考え込んでいた東条は、最後にニヤリと笑った。

 「なるほど。どうやら私はタイミングを逃したようですね。もはや付け入る隙がない。そうでしょう?朱里さん」

 朱里は少しうつむいてから、はいと顔を上げて頷いた。

 「やれやれ。しばらくは恋に破れた曲ばかり取り組もうかな。今ならいい指揮が振れそうだ」

 ため息をついたあと、東条は二人の肩をポンと叩く。

 「お似合いの二人になったね。どうぞお幸せに」

 朱里は瑛と顔を見合わせてから、東条に笑いかけた。

 「はい、ありがとうございます」
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