幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
 「改めまして、瑛。お誕生日おめでとう!」
 「ありがとう!」

 夜はちょっと雰囲気を変えて、ホテルでディナーを楽しむ。

 朱里は、雅からプレゼントされた薄いパープルのワンピース、瑛もフォーマルなスーツ姿だった。

 「えっと、これは私からの誕生日プレゼント」

 朱里がテーブルの上にネイビーの箱を置く。

 「ええ?プレゼント用意してくれてたの?」
 「うん。あ、でもそんなに期待しないでね」
 「めっちゃしてる」
 「え、じゃああげない」
 「なんだよそれ!いいから、早くちょうだい」
 「ガッカリしないでよ?」
 「朱里からのプレゼントってだけでも、ガッカリする訳がない」

 朱里はふっと笑って瑛に箱を手渡す。

 瑛は子どものようにわくわくした様子で箱を開けた。

 「おおー、時計だ!」
  「ごめんね、瑛がいつも着けてる時計ほど高価じゃなくて。でもそれ、私とお揃いなの」
 「え、ペアウォッチ?」
 「そう」

 すると瑛は嬉しそうに時計を着け替えた。

 「朱里のも見せて」

 二人で互いの時計を見せ合う。

 「いいなー!これで俺達、お互いのものだってみんなに見せつけてやれるぞ。クククッ」
 「…瑛、不気味な笑いやめて」
 「だってさ、もう言いたくてたまらなかったんだ。朱里は俺のものだ!気安く触るんじゃねえ!って」
 「は?何それ。とにかく、田畑さんと川辺さんには、ちゃんと紳士的に報告してね」
 「分かってるって」

 ようやく二人は笑顔で美味しいディナーを味わい、入籍と誕生日を祝って幸せな気持ちを噛みしめていた。

 翌日、会社が大騒ぎになることも知らずに…
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