幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
「夕べはごめんね、朱里ちゃん。真夜中にお騒がせしちゃったみたいで…。驚いたでしょう?」
次の日。
瑛の屋敷で朱里は、瑛の姉の雅に呼ばれて一緒にお茶を飲んでいた。
「いいえ、大丈夫です」
朱里は笑って首を振る。
「それより、被害は大丈夫だったんですか?泥棒に入られたんでしょう?」
心配そうに朱里が聞くと、雅はふふっと優雅な笑みを浮かべた。
「大丈夫よ。なんたって菊川がいたからね。泥棒が塀を乗り越えて警報器が鳴ったとたん、菊川が飛び出して行ってあっという間に取り押さえたそうよ」
そしてその後、駆けつけたセキュリティ会社の警備員に男が引き渡されたのは、朱里も見て知っていた。
「菊川から、逃げた男が朱里ちゃんの家の屋根に飛び移ったって聞いたけど、大丈夫だった?」
「え、うちの屋根に?」
「そう。すぐに菊川が後ろから捕まえて、屋根から引きずり降ろしたそうだけど」
あっ、それでか!と朱里は手のひらを打つ。
「ん?なにが?」
小首をかしげる雅に、朱里が説明する。
「私、警報器の音で目が覚めて窓を開けたんです。そしたら目の前に瑛が現れて、びっくりして思わず顔を引っ叩いちゃって…」
「ええ?!」
一瞬驚いてから、雅はおかしそうに笑い出した。
「あはは!瑛、引っ叩かれたんだ。おもしろーい!」
「ご、ごめんなさい…」
「ううん、朱里ちゃんは悪くないわよ。真夜中に女の子の寝ている部屋に顔出したら、それは往復ビンタ食らって当然よ」
「いや、あの。お姉さん、私、往復はしてません。片道です」
「そうなのね、片道ビンタ!おっかしーい!その時の瑛の顔、見たかったわ」
しばらく笑い続けていた雅は、リビングの端のベビーベッドから、ふぎゃっという赤ちゃんの泣き声を聞いて立ち上がる。
「あら、起きたのね。優」
優しく声をかけながら雅が赤ちゃんを抱き上げて、朱里のいるソファに戻ってきた。
「優くん、おはよう!よく眠れた?」
朱里が笑いかけると、優は寝起きのぼんやりした眼差しで朱里を見たあと、ゴシゴシと両目を手の甲で擦る。
(ふふっ、可愛いなー)
朱里は思わず目を細めた。
次の日。
瑛の屋敷で朱里は、瑛の姉の雅に呼ばれて一緒にお茶を飲んでいた。
「いいえ、大丈夫です」
朱里は笑って首を振る。
「それより、被害は大丈夫だったんですか?泥棒に入られたんでしょう?」
心配そうに朱里が聞くと、雅はふふっと優雅な笑みを浮かべた。
「大丈夫よ。なんたって菊川がいたからね。泥棒が塀を乗り越えて警報器が鳴ったとたん、菊川が飛び出して行ってあっという間に取り押さえたそうよ」
そしてその後、駆けつけたセキュリティ会社の警備員に男が引き渡されたのは、朱里も見て知っていた。
「菊川から、逃げた男が朱里ちゃんの家の屋根に飛び移ったって聞いたけど、大丈夫だった?」
「え、うちの屋根に?」
「そう。すぐに菊川が後ろから捕まえて、屋根から引きずり降ろしたそうだけど」
あっ、それでか!と朱里は手のひらを打つ。
「ん?なにが?」
小首をかしげる雅に、朱里が説明する。
「私、警報器の音で目が覚めて窓を開けたんです。そしたら目の前に瑛が現れて、びっくりして思わず顔を引っ叩いちゃって…」
「ええ?!」
一瞬驚いてから、雅はおかしそうに笑い出した。
「あはは!瑛、引っ叩かれたんだ。おもしろーい!」
「ご、ごめんなさい…」
「ううん、朱里ちゃんは悪くないわよ。真夜中に女の子の寝ている部屋に顔出したら、それは往復ビンタ食らって当然よ」
「いや、あの。お姉さん、私、往復はしてません。片道です」
「そうなのね、片道ビンタ!おっかしーい!その時の瑛の顔、見たかったわ」
しばらく笑い続けていた雅は、リビングの端のベビーベッドから、ふぎゃっという赤ちゃんの泣き声を聞いて立ち上がる。
「あら、起きたのね。優」
優しく声をかけながら雅が赤ちゃんを抱き上げて、朱里のいるソファに戻ってきた。
「優くん、おはよう!よく眠れた?」
朱里が笑いかけると、優は寝起きのぼんやりした眼差しで朱里を見たあと、ゴシゴシと両目を手の甲で擦る。
(ふふっ、可愛いなー)
朱里は思わず目を細めた。