幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
 「もう朱里ちゃんには何てお礼を言えばいいのかしら。我が家がいつもご迷惑をおかけして、本当にごめんなさいね」

 1週間後に帰国した瑛の両親は、雅から話を聞いたらしく、開口一番朱里に謝った。

 「まったくだよ。君にお願いしてこちらに泊まってもらったのに、優の世話までさせてしまって。本当に申し訳ない」

 恐縮する瑛の両親に、朱里は笑って首を振る。

 「いいえ!そんな大したことでは。優くんと楽しく遊んでいてお役に立てたのなら、私もとっても嬉しいです」
 「まあ!本当になんて優しいお嬢さんなの、朱里ちゃんは」
 「そうだな。朱里ちゃん、今度改めてお礼をさせて欲しい」

 いえ、そんな。お気遣いなくと言う朱里の言葉は気に留めず、瑛の父は何がいいかと考え始めたようだった。

 「朱里ちゃん。ご両親と旅行に行くのはどうかな?沖縄とか北海道、ハワイもいいな。うちのリゾートホテルにご招待するよ」
 「おじ様。本当にお気持ちだけで。それに両親も忙しそうで、なかなかまとまった休みが取れませんし」

 そうかい?と少し残念そうにしつつも、ではまた機会を改めて必ずと、今日のところは納得してくれた。

 イタリアのお土産を受け取り、朱里も夕食をご一緒させてもらう。

 すると、ふと瑛が父親に声をかけられた。
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