幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
 「朱里」

 控え室に戻ろうとする朱里を、瑛が呼び止めた。

 「着替えたら車で家まで送っていく」

 え…と朱里は戸惑う。

 「いや、そんな。聖美さんがいるでしょ?」

 離れた所で雅と会話している聖美に目をやると、瑛は首を振った。

 「彼女がそう言ったんだ。朱里と一緒に帰りたいって」
 「え、そうなの?」
 「ああ。おしゃべりしたいって」
 「そうなんだ…。うーん、お邪魔じゃないかな?」
 「大丈夫だって」
 「んー、分かった。じゃあお言葉に甘えて」
 「ああ。ロータリーで待ってる」

 朱里は控え室に戻って着替えると、打ち上げはまた改めて、と三人に断って部屋をあとにした。
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