Good day !
「よし、行くぞ」
「はい」
「Cleared for takeoff」
「Runway clear. Cleared for takeoff」

大和がスラストレバーを約20TPR
(Turbofan Power Ratio)まで押し進め、エンジン計器に異常がないことを確認した恵真は「Stabilize」とコールした。

続いて大和はTO/GAスイッチを押すと同時にブレーキをリリース。
スラストレバーは、自動的に離陸位置に入る。

ゆっくりと機体が動き出し、オートスロットルのモードが変わるのを確認した恵真は「Thrust Ref」とコールした。

機体は滑走路の上をどんどん加速して走り続ける。

エンジン推力を表す指標が離陸推力まで達したのを確認し、恵真は「Thrust Set」とコールする。

対気速度計が80ノットに達した。

「Eighty」
「Checked」

恵真のコールに、自分の目で計器を確かめた大和が応える。

続いてオートスロットルがHOLDモードになっていることを確認し「Hold」とコール。

ここまでわずか数秒。
だが決して気は抜けない。
この時点で何か異常があれば、即座に離陸を中止しなければならないからだ。
恵真はモニターのあちこちに目を走らせる。

やがて離陸決心速度に達した。

「V1」
大和の右手がスラストレバーから離れた。

「VR」
ゆっくりと大和が操縦桿を引き、機首が空へと引き上げられる。

「V2」
安全離陸速度に入り、昇降計の上昇指示を確認した恵真は、さらに「Positive」とコールする。

「Gear up」
「Roger. Gear up」

ギアが無事に格納されたのをチェックすると、管制官から交信が入る。

「JW 247. Contact Departure. Good day!」
「Contact Departure, JW 247. Good day!」
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