Good day !

恵真はそれからも、日々勉強を重ねた。

あの日の大和の操縦を忘れないように、何度も頭の中で思い返し、ノートに書き留め、いつかまた大和と一緒に飛べたらと願いながら乗務に励んでいた。

そんなある日。
久しぶりに航空大学校時代の同期、こずえと食事することになった。

待ち合わせたイタリアンレストランで、二人は久しぶりの再会を喜ぶ。

「恵真ー！やっと会えたね」
「うん、こずえちゃん元気にしてた？」
「元気元気ー！」

お互い別々の会社でパイロットをしていては、なかなか顔も合わせられない。
二人で会うのは、かれこれ半年ぶりだった。

食事もそこそこにおしゃべりに花を咲かせる。

「聞いたよ、伊沢から。恵真、相変わらず色々ハプニングに見舞われてるらしいね」
「あはは、うん。そうね」
「あ！伊沢と言えば」

思い出したように、こずえは恵真に顔を寄せてくる。

「恵真、伊沢とつき合ってるんだって？」
「え？誰から聞いたの？」

するとこずえは、ちょっと含み笑いをした。

「んーとね。この間、航空関係者の合コンがあったの」
「何それー？そんなのあるの？航空関係者って、つまりCAさんとかグランドさんとか？」
「そう。整備士や管制官も来たよ。もちろんパイロットもね」
「ひー、管制官も？やだ、私怒られそう…」
「あはは、そんなことないって。合コンなんだもん、みんなで楽しく盛り上がるよ」

ふうん、と納得した恵真は、話を戻す。