【SR】だるまさんが転んだ
プロローグ
「暑い…。」


何度この言葉を吐いたのだろうと思いながら、俊介は額に流れる汗を拭った。


目の前に広がる景色を言葉にするなら、茶色一色。


見上げれば憎らしいほどの青空はあるものの、視線を下に戻せば茶色一色としか言いようが無かった。


砂土の道路は勿論、見える木々さえ砂埃で緑の部分を失っている。


日本で見る深々とした緑は無く、くすんだ色を見せている。


現地の人はコレが道路だと言うが、俊介から見れば畦道が良い所だった。


うねりを見せるデコボコは、数ヶ月前に降った雨でこうなったのだとか。


数ヶ月間もこのままの状態で放置された道路など、日本では考えられない事だ。
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