【SR】だるまさんが転んだ
「何も買いには来てない。ただ、この国で調べたい事が有って来たんだ。」


両手を上げ、ゆっくり振り返ろうとしていた俊介の動きは、再度背中に押し付けられた銃口によって止まった。


皮膚が粟立ち、心臓が喉をせり上がってきそうな恐怖感を飲み込んだ。


今下手に動いたら、俊介が打ち上げるつもりだった最後の花火は、乾いた銃声に変わる。


それが単発か数発かは、事切れた後の俊介の知った所ではない。


両足首から脹ら脛、太股から腰、腹部から脇と撫でられた手は、地べたに置いていた俊介の荷物へと伸びていった。


「嘘は無いようだな。」


その言葉に、俊介は安堵感に包まれ全身の筋肉が弛緩した。


それと同時に、背中に押し付けられていた銃口の気配も消えた。


「そのままの体勢で、ゆっくりこっちを向け。」


泣き言を言う筋肉に活を入れ、その言葉通りに俊介は両手を上げたままゆっくりと振り向いた。
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