【SR】だるまさんが転んだ
日本に帰ってそれを記事にしたら、あっと言う間に取り沙汰されるのは目に見えている。


だが、俊介が調べに来たのはそれじゃなかった。


「もう一つ、俺を呼んだのは君だと言ったが、それは何かの間違いだろう。」


どう考えても、ヴェンと原島が顔見知りだとは思えなかった。


それは、原島の言っていた上の連中も同じ。


「ヴェンで良い。シュンスケが何を調べに来たのか知らないけど、その話しを俺が流したものだとしたら納得出来るだろう。」


「だるまだ。だるまを追ってこの地に来た。」


ヴェンの瞳が瞬間細くなったのを、俊介は見逃さなかった。


「有ると言えば有るし、無いと言えば無い。」


「何処に！」


「ダルコの屋敷だ。」


この地に来たら何時かはぶつかるだろうと思っていた人物の名前に、俊介はそれまでの勢いを削がれ身を硬くした。
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