【SR】だるまさんが転んだ
砂土の道路は終わり、ジープは道に見えない所を上っていく。


ダルコの屋敷が近いのではと、俊介の身体に緊張が走った。


「クーデターでダルコを殺そうとは思わなかったのか?」


「そんな事、何度となく考えたさ。もう少し行けば分かる。」


そう言うとヴェンは、アクセルを一気に踏み込んだ。


悲鳴を上げるジープのスプリング。


俊介の背中はシートに張り付き、デコボコな道無き道は尻を突き上げた。


車外に放り出されないよう、思わずドアを掴んだ俊介は、丸く空いた銃痕に息を飲んだ。


「見えてきたぞ。」


スピードを落としたジープは、俊介の目に夕日に染まる花畑を映した。
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