【SR】だるまさんが転んだ
思わず吹き出しそうになったが、俊介は怪しげな通販のページから視線を上げる事は無かった。


だ〜る〜ま〜さ〜ん〜が〜転〜ん〜だっ!


そう言いながら、子供の頃に良く遊んでいたものだ。


懐かしさはあっても、それを追いかけるという意味すら分からない。


今流行の、都市伝説と言った所だろうか。


原島の声に、誰一人として反応を見せる者は居ない。


若い記者は、簡単に数字を上げられるネタか、格好の良い響きのネタにしか反応を示さないからだ。


雑誌に入り込んできた影に、俊介は渋々視線を上げた。


「崎さん、仕事が終わったら今夜どうかな?」


右手でお猪口の形を作った原島は、それをクイッと口元で上げて見せた。
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