【SR】だるまさんが転んだ
「今夜?」


手の空いてる者は俊介しか居ないと、白羽の矢が立ったのは明らかだった。


押し付けられたと思った俊介が、怪訝そうな顔をしたのは当然の反応といえる。


「そう、今夜[どんちゃん]で。」


ご機嫌取りの笑顔だと見え見えの顔で迫られ、俊介は仕方なしに返事をした。


「分かったよ。」


歳は俊介の方が上だが、こういう時は上司という立場から、原島の奢りと決まっていた。


話しを聞くふりだけして、タダ酒を呑んで帰れば良い。


そこまで考えた上で、俊介は頷いたのだった。


リラクゼーションサプリメント付き、貴方の眠り姫か…。


発送先は[ヘルスライフコーポレーション]とあるが、だるまを追うよりもこっちの方が面白い記事が書けそうだと、俊介は去っていく原島の背中に呟き雑誌を閉じた。


今の世の中、色んな仕事が有るものだ。
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