【SR】だるまさんが転んだ
あぁ…と、俊介は思い出したような生返事をしながら、カウンターに置いていたセブンスターのパッケージから一本引き抜いた。
口にはくわえず、フィルターでカウンターを叩くようにして、考えてるふりをした。
「俺も上から言われて困ってんのよ。若い奴等は絶対追わないだろうしさ、崎さんしかいないんだよ。」
原島には俊介が思案している風に見えるかもしれないが、俊介が考えていたのは、平日でも八割方は埋まっている[どんちゃん]の席が、週末の今日は満席に近いという事だった。
だが、最後の崎さんしかいないんだという声は、しっかりと耳に届いていた。
誰かに頼られたのは、もう何年前になるだろうかと俊介は記憶を遡ったが、明確に思い出すには時が経ちすぎているような気がして止めた。
「そんなものを追って面白いのかよ。」
「面白くなるかどうかは、崎さんの腕の見せ所だろ?」
漸く口にくわえたセブンスターに、火を付けようとしていた動きを止め、ニヤリと笑みを零す原島を見た。
確かにその通りだと納得し、俊介はもう一度付けた火で穂先を炙った。
口にはくわえず、フィルターでカウンターを叩くようにして、考えてるふりをした。
「俺も上から言われて困ってんのよ。若い奴等は絶対追わないだろうしさ、崎さんしかいないんだよ。」
原島には俊介が思案している風に見えるかもしれないが、俊介が考えていたのは、平日でも八割方は埋まっている[どんちゃん]の席が、週末の今日は満席に近いという事だった。
だが、最後の崎さんしかいないんだという声は、しっかりと耳に届いていた。
誰かに頼られたのは、もう何年前になるだろうかと俊介は記憶を遡ったが、明確に思い出すには時が経ちすぎているような気がして止めた。
「そんなものを追って面白いのかよ。」
「面白くなるかどうかは、崎さんの腕の見せ所だろ?」
漸く口にくわえたセブンスターに、火を付けようとしていた動きを止め、ニヤリと笑みを零す原島を見た。
確かにその通りだと納得し、俊介はもう一度付けた火で穂先を炙った。