Lost at sea〜不器用御曹司の密かな蜜愛〜
4 再々会〜契約継続中〜.
萌音と共同で臨んだブライダルフェアのプランが好評を博し、今後も継続されることが決まった。そのため翔の父親が経営する式場の親会社の創設記念パーティーに、六花も招かれることになったのだ。
ブライダルフェアに関わったとはいえ、今は式場の従業員という立場だし当初は断っていた。だがどうしてもという会社側からの要望に負けて参加することになったのだ。
パーティー当日、実家の自室でドレスに着替えた六花は招待状を見ながらため息をつく。
翔と萌音の計らいで車に同乗させてもらい、パーティー会場までやってきた。そこから娘を預けるために実家まで電車で移動した。
里帰りをするのが久しぶりだったので、孫と一緒に過ごしたいという両親のためにしばらく実家に滞在することを決めたのだ。
招待状をカバンにしまってから姿見の前に立ち、もう一度身だしなみのチェックをする。萌音が貸してくれたアイボリーのシフォンドレスはとても美しく、自分にはもったいないような気がしてしまう。それでも萌音が作ったドレスに憧れていた六花は、ドレスを着られたことに喜びを感じていた。
しかしいざパーティー会場に向かおうと思うと、寂しくなったのは六花の方だった。考えてみれば愛生を産んでから離れて過ごすのは初めてだったのだ。
しかし彼女の想いとは裏腹に、両親は早く行けとばかりに玄関に見送りに来る。
「パーティーなんて久しぶりでしょう? まーちゃんは私たちに任せて、楽しんで来なさいって」
「そうそう。なんなら一週間くらいだって預かるよ。なー、まーちゃん」
「ちょっとやめてよ! 私だって初めてまーちゃんと離れるから寂しいのに……」
名残惜しそうな六花に対し、愛生は愛想よく両親にあやされている。
「ほら、そろそろ時間よ」
「……わかってるってば」
「あぁ、そうだわ」
「今度は何?」
ため息をついた六花の髪飾りを直すように手を伸ばした母は、不適な笑みを浮かべた。
「あんたはいつもどこかで強がっちゃうから、自分の気持ちには素直になりなさいね」
「はぁっ? 一体なんのこと?」
「うふふ、何でもないわよ」
両親の意味深な言葉に首を傾げながら、外で待たせていたタクシーに乗り込み、会場であるホテルへ向かった。
ブライダルフェアに関わったとはいえ、今は式場の従業員という立場だし当初は断っていた。だがどうしてもという会社側からの要望に負けて参加することになったのだ。
パーティー当日、実家の自室でドレスに着替えた六花は招待状を見ながらため息をつく。
翔と萌音の計らいで車に同乗させてもらい、パーティー会場までやってきた。そこから娘を預けるために実家まで電車で移動した。
里帰りをするのが久しぶりだったので、孫と一緒に過ごしたいという両親のためにしばらく実家に滞在することを決めたのだ。
招待状をカバンにしまってから姿見の前に立ち、もう一度身だしなみのチェックをする。萌音が貸してくれたアイボリーのシフォンドレスはとても美しく、自分にはもったいないような気がしてしまう。それでも萌音が作ったドレスに憧れていた六花は、ドレスを着られたことに喜びを感じていた。
しかしいざパーティー会場に向かおうと思うと、寂しくなったのは六花の方だった。考えてみれば愛生を産んでから離れて過ごすのは初めてだったのだ。
しかし彼女の想いとは裏腹に、両親は早く行けとばかりに玄関に見送りに来る。
「パーティーなんて久しぶりでしょう? まーちゃんは私たちに任せて、楽しんで来なさいって」
「そうそう。なんなら一週間くらいだって預かるよ。なー、まーちゃん」
「ちょっとやめてよ! 私だって初めてまーちゃんと離れるから寂しいのに……」
名残惜しそうな六花に対し、愛生は愛想よく両親にあやされている。
「ほら、そろそろ時間よ」
「……わかってるってば」
「あぁ、そうだわ」
「今度は何?」
ため息をついた六花の髪飾りを直すように手を伸ばした母は、不適な笑みを浮かべた。
「あんたはいつもどこかで強がっちゃうから、自分の気持ちには素直になりなさいね」
「はぁっ? 一体なんのこと?」
「うふふ、何でもないわよ」
両親の意味深な言葉に首を傾げながら、外で待たせていたタクシーに乗り込み、会場であるホテルへ向かった。