Lost at sea〜不器用御曹司の密かな蜜愛〜
* * * *
チェックアウトをして車に乗る頃には、六花の体はへとへとになっていた。助手席に座り、シートベルトを締めるまでに、普段の倍の時間がかかる。
久しぶりだし、あの頃より体力は落ちている。つい夢中になってしまったけど、やっぱり無理は禁物ねーーそう思いながらも、先ほどまでのことを思い返しては体が熱くなってしまう。
それに比べて宗吾は気持ち良いほどスッキリした顔をし、不敵な笑みを浮かべて六花に視線を送る。
「六花が俺を何回も誘うから、期待に応えないとってつい頑張り過ぎちゃったな」
「……宗吾が絶倫だってすっかり忘れてたわ」
「絶倫なのは六花に対してだけだから安心しろよ」
六花の顔が赤くなるのを見届けてから、宗吾は満足気にアクセルを踏んだ。
昨日の朝までは、嫌味を言うことで壁を作ってきた。なるべく自分のテリトリーに立ち入らせないようにしていたのに、たった一晩で宗吾はその壁を破ってしまった。
今は彼からの甘い言葉で一喜一憂するほどになっている。
「なんか不思議ね。不仲だった時もそうだけど、宗吾が相手だと簡単に心を許しちゃうの」
「そんなことないだろ。結構時間がかかっているような気がするけど」
「あのね、たった一日で体を許すような人間じゃないのよ、私。宗吾の家を出てからは誰ともそんな関係になってないし」
正確には"そんな状況じゃなかった"わけだが。たとえ妊娠していなくても、ガードは堅いと思っている。
「だから……宗吾だけは特別」
「俺だってそうだよ」
「えっ」
「六花以外とはしたいと思えないんだ。俺にとっても六花は特別だよ」
私だけが宗吾の特別ーーそれが友達としてでも、なんて嬉しい言葉だろう。彼が自分以外の女性と関係を持たなかった理由はわからないが、その事実が六花を安心させたことは確かだった。
チェックアウトをして車に乗る頃には、六花の体はへとへとになっていた。助手席に座り、シートベルトを締めるまでに、普段の倍の時間がかかる。
久しぶりだし、あの頃より体力は落ちている。つい夢中になってしまったけど、やっぱり無理は禁物ねーーそう思いながらも、先ほどまでのことを思い返しては体が熱くなってしまう。
それに比べて宗吾は気持ち良いほどスッキリした顔をし、不敵な笑みを浮かべて六花に視線を送る。
「六花が俺を何回も誘うから、期待に応えないとってつい頑張り過ぎちゃったな」
「……宗吾が絶倫だってすっかり忘れてたわ」
「絶倫なのは六花に対してだけだから安心しろよ」
六花の顔が赤くなるのを見届けてから、宗吾は満足気にアクセルを踏んだ。
昨日の朝までは、嫌味を言うことで壁を作ってきた。なるべく自分のテリトリーに立ち入らせないようにしていたのに、たった一晩で宗吾はその壁を破ってしまった。
今は彼からの甘い言葉で一喜一憂するほどになっている。
「なんか不思議ね。不仲だった時もそうだけど、宗吾が相手だと簡単に心を許しちゃうの」
「そんなことないだろ。結構時間がかかっているような気がするけど」
「あのね、たった一日で体を許すような人間じゃないのよ、私。宗吾の家を出てからは誰ともそんな関係になってないし」
正確には"そんな状況じゃなかった"わけだが。たとえ妊娠していなくても、ガードは堅いと思っている。
「だから……宗吾だけは特別」
「俺だってそうだよ」
「えっ」
「六花以外とはしたいと思えないんだ。俺にとっても六花は特別だよ」
私だけが宗吾の特別ーーそれが友達としてでも、なんて嬉しい言葉だろう。彼が自分以外の女性と関係を持たなかった理由はわからないが、その事実が六花を安心させたことは確かだった。