可愛い瑠衣くんがご執心らしい。
今日はどうしてだか人は集まってなくて、教室からは見えない階段の裏の死角に入った。


澪「あ、あれどうしたの?」
 (なんだか瑠衣くん雰囲気が……)

瑠衣「先輩、俺のお世話係になる気、ありませんか?」

澪「……え?」
(お世話、係?)


またまたポカンとしてしまう澪。


瑠衣「メイドさんみたいに、俺……じゃなかった。僕の使用人さんになるんです。ちゃんとお金も払いますよ」

澪「え、ええっと……」
 (バイトってこと……?)


戸惑う澪。

そんな真優の顔を伺いながら瑠衣が口を開く。


瑠衣「兄弟さんのことは心配しないでください。僕の使用人を送りますから」

澪「えええっ……!?」

瑠衣「結構高いですよ時給。ざっとこのぐらい」


指を使って、その数字を表す。


澪「う、そ……」


ぷるぷると手が震える澪。


瑠衣「このお金があれば、ご家族の負担も減るのでは……?」

澪「わ、わかった……!やります!」

瑠衣「はい、交渉成立ですね」

澪「は、はい……」
 (こうして私は、まんまとハメられてしまったのだった。)



○マンション(瑠衣の家)


◇放課後。


澪(なんと話はもう家族につけていたらしく、私は荷物をまとめて瑠衣くんの家にくることにしまった。)


澪(そう、バイトではあるけれど、住み込みだったのだ)



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