可愛い瑠衣くんがご執心らしい。
瑠衣「じゃ、じゃあ僕は行きます」

澪「う、うんじゃあね」


タッタッタと急いで澪から距離を取っていく瑠衣。


瑠衣(あー……なんだこれ。気持ち悪。変な感じしかしない。胸がいっぱいで澪先輩が頭から離れない)


ドッドッドッと心臓の音が早く大きくなる。


心臓あたりに手を当てながら、壁にもたれている瑠衣。


瑠衣(もしかして……これが恋ってヤツ?まさか、俺が恋なんてありえないだろ)


生まれて初めての感覚が気持ち悪くて仕方がない。


瑠衣(乙葉財閥の末っ子で、可愛さだけ褒められてきた俺。本当は腹黒いことなんて誰も知らない……)


切ない気持ちがきゅっと胸を締める。

瑠衣(だけど、そんな気持ちを晴らしてしまうぐらい……)

瑠衣(澪先輩が、好きだ。先輩とはまだ会ってから1週間ぐらいしか喋ったことないけど、好きでたまらない。先輩のこと考えると、嫌なこととか吹っ飛ぶ)


澪のことが、好きになっていた。


瑠衣(んー……好きになっちゃったなら仕方がない。ぜってー俺のもんにする)


陰でそんな覚悟をされていることを知らずに、澪は呑気に教室に向かっているのであった。


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